朱滝~敗退の記録~

2017.09.28(Thu)

福島県北塩原村と猪苗代町の境にある中津川渓谷核心部にかかる「朱滝」

通常であれば沢登りで1泊2日又は2泊3日で行ける場所ですが、毎年9月初めの吾妻山神社例大祭の時期だけ草刈りによって廃道と化している登山道が姿を現わすことから、その時期を狙ってピンポイントで日帰りでアタックしてきました。
これは元々、百四丈滝等でも御一緒している三浦さんが前から暖めてきたプランで、これに便乗させてもらい、計6人でのアタックです。
なお、時間切れにより落ち口までとなり、私を含め2人は翌日の所用から撤退し、ほかの4人はそのまま滝壺に降下する場所を見つけて無事到達&極寒の滝前ビバークで翌日戻ってきたことを申し添えます。
よって、私の記録は、時間切れによる敗退の記録となりますが、中津川渓谷側から吾妻山神社、ヤケノママ、中吾妻山等を狙おうという方には参考になる部分もあるかと思います。
訪問は、9月9日です。

<アクセス>
磐梯吾妻レークライン沿い、秋元湖半を少し過ぎてまもなく出てくる中津川渓谷レストハウス大駐車場が基点となります。
なお、地図上で見ると吾妻山神社登山口から左右に道がありますが、左側(西側)は崩落等によりずいぶん昔から廃道になっています。一方、右側(東側)の秋元湖半金堀集落から伸びるほうは延々と続くようで、作業用にも使っているせいか道はしっかりしているそうですが、ゲートがあり、特定の人しか入れません。
したがって、そもそも吾妻山神社登山口までどうやって行くかが、最初の問題です。地図では登山道の線がいくつも見えるので簡単に行けるように感じますが、上述のとおり登山道は廃道と化しており、しかも草刈りがされるのも吾妻山神社登山口からですから、藪に覆われ、すでに道はありません。

<アプローチ>
akataki.gif

中津川渓谷レストハウスから、地形図を参考に遊歩道から沢に降りましたが、登山道らしきものは皆無です。001.jpg 001-2.jpg
(過去に吾妻山神社に訪れた方の記録を見ると、そのまま沢を進んで、橋のところから上がれば林道に出るようですが、後から分かったものであり、現地確認はまだしていません。)

そこでいったんレストハウスまで戻り、地形図を見直します。
すると別の線がレストハウス右側にあるので、草薮を見ると、微かに作業用と思われる踏み跡が見られ、旧登山道に続いているように見られたので、降りていきました。
まもなく、間伐作業のための重機の跡があったのでこれを利用しますが、これが誤りの原因ともなりました。
登山道跡はなく、重機の通った跡を利用しながら、吾妻山神社登山口に向かって行きますが、途中から明らかに方向が異なることから、激藪を漕いで強引に進んでいきました。
視界に林道のガードレールが見えてきて、沢も近づいたので、橋の先で合流するような形で進んで行き、林道に合流するとすぐに、ようやく起点となるべき吾妻山神社登山口に着きました。

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ここからは例大祭のために草刈りがされているので、吾妻山神社までは迷うことはありませんが、唐松川を渡渉して御神木を横目に上がっていくところは少し分かりづらいかもしれません。
003.jpg

また、渡渉した標高900m付近から1300m辺りまでは一部区間を除きかなり急勾配です。
しばらくなだらかな道を進んだ後、標高1550m付近から吾妻山神社のある1430m付近まで一気に下りますが、下り始めのところに姥神様が祀ってあります。
004.jpg

吾妻山神社登山口から約3時間で吾妻山神社に到着します(休憩除く。)。
006.jpg
なお、神社といっても岩に注連縄が施され、小さな祠があるのみです。

ここからは完全に未知の世界、昔はヤケノママから西吾妻山方面に登山道が続いていたようですが、完全に廃道と化しているので、地形読みが頼りです。
吾妻山神社からいったんマーキングに従って下ると、権現沢に出るので、ここから巨岩を登っていきます。
この区間は標高差50mほどですが、場所を選べば、あまり苦にせず登れると思います。

標高1470m付近で左手に岩がせり上がったところが切れるので、ここから左に、なだらかな部分を進んでいきますが、草が生い茂っており、足元の視界も悪いので、慎重に進みます。
できればそのまま高度を維持して行きたいですが、この先が崖となっており進めませんので、約150mほど移動した地点、柔らかい土がむき出しの急斜面を半ば強引に20mほど登って、木の根を頼りに乗り越えたら更に20mほど高度を上げたら、標高1530m辺りで平場に出ます。

ここで時間はちょうど12時、この時点ですでにヘッドライトによる下山は確定していますが、直下まで辿り着けるかはかなり微妙なこともあって、ここで撤退するか進むか、みんなの意見を出し合い、結果的に2時頃まで粘ってみようということになりました。
本音では安全を考慮して撤退すべきとも思いましたが、せめて落ち口だけでも確認できればという気持ちが自分でも上回りました。
この辺からは1510~1520m付近を高度に気をつけながら進んでいきました。
基本的に針葉樹林帯ですが、前述のように廃道と化していることから、どこが登山道だったかは分かりません。
ところどころ、登山道の名残かと思われるところもあるので、それを頼りにしながら、激藪の中をできるだけ、高度を維持しながら歩きやすいところを進むしかありません。

地形図上では出ていませんが、水線を越えた辺りからは少しだけ藪が薄くなり、多少歩きやすくなります。
そうやって進んで行き、地形図上の朱滝の場所から真っ直ぐ右に標高1500m付近に赤い表示が木にくくりつけられています。どうやら旧登山道の名残に出たようです。
007.jpg

ここから水流跡を下って行くと、朱滝の落ち口に出てきました(おおむね1時30分)。
008.jpg

ですが、ここからは一気に切り立った断崖絶壁で降りることはできません。
少し下流側に戻りましたが時間も押し迫り、一度全員の判断を確認するため、上に上がります。
この間、先行していたBALさんが下降地点と思しき場所を確認していました。

時間はちょうど2時、滝下までアタックしてビバークしてから翌日帰るか日帰り下山するかの判断となります。
このまま下山するのは体力的にキツイこと、そしてここまで来たからには滝下に立ちたいとの思いから、ビバークを決断したのが、BALさん、MATSUさん、三浦さん、竹内さん。
そして翌週に秋田遠征を控えていることからできれば日帰りしたかったこと、吾妻山神社からの登り返しを終えて下りに入るまでに日没とならなければ何とか行けるだろうという判断で撤退したのがサモハンさんと私。
撤退決断組は、ツェルト、エマージェンシーシート、食料はありましたが、やはり日帰りということを家に伝えてきたことが大きなネックでした。
互いの健闘を誓い合い、再会を期して分かれたのが2時10分頃でした。

BALさんが途中付けてつけたマーキングも頼りにしながら、途中の支流で水を補給し、吾妻山神社まで戻ったのが4時少し前、ここから登り返してひたすら登山道を歩きます。
軽い休憩を挟みながら、吾妻山登山道入口に着いたのが7時過ぎでした。

ですが、帰路の問題はここからでした。
西側の林道をずっと進んで、地形図上859m付近から旧登山道を探して朝歩いた場所に合流するか、林道からレークラインに出られるのではないかという想定でしたが、前者は激藪で真っ暗闇の中進むのは命取り(確実に一度徒渉があるはずだが、水量は不明)なのでそのまま林道を進むと、朽ちた橋の先に通行止めの表示があります。この辺は藪に覆われ周囲の状況が見えませんが、とりあえず安全策で橋を渡り、林道をそのまま進みました。

朝に間違って渓谷まで降りた付近まで出ましたが、案の定真っ暗闇では、渓谷を渡渉するのはやはり命取りで更に進むと、レークラインの大橋は遥か上方にあり、登ることはできません。
またひたすら進んで、秋元湖に注ぐ手前付近、林道と登山道を示す線が交わる付近まで行ってみます。
どうやらここが昔の駐車場と散策路起点になっていたようですが、そこからレークラインに繋がる道は見当たりません。

このまま秋元湖方面に進む道からではとんでもない距離を歩くことになります。
どうするか相談した挙句、サモハンさんがGPSと地形図上と照らしてちょっと登山道の名残と思われる付近を探すと、微かに踏み跡があり、GPSと地形読みでなんとか行ってみようとなりました。
幾度か踏み跡も途絶えていますが、双方の持つGPS、そしてコンパス、地形読みで進路補正をしながら慎重に登っていくと、なんとか9時40分頃、レークラインに出ることができました。
ここからレークラインを戻って、10時ちょうど、やっと駐車場に辿り着きました。

結果として敗退の記録であり、こんな時間まで歩くのは危険ではありますが、ルート等から、どれくらいまでにここまで行けば大丈夫という確証を元に2人で相談しながら歩いた結果です。
また、その中でも、このルートは行ってはいけない部分は当然踏まえた上で、時間がかかっても可能な限り安全なルートを辿った結果でもあります。
自分たちは朱滝直下に降り立つことはできませんでしたが、それでも一つ壁を突破できた充実した行程でした。

なお、ビバークした三浦さんたち4人は、翌日日没間際に駐車場に辿り着いたとのことでした。
最後に、三浦さんから頂いた直下からの写真を載せます。
009.jpg

どうやら、下降地点と思われた場所も、その先が崖となっており、もっと下流側、地形図上で枝沢が落ちている付近の対岸からの下降となったようですが、ザイルがあったほうが安心のようです。

繰り返しますが、私の記録は敗退の記録です。
詳細は、BALさんのHPを御覧になられたほうが遥かに参考になると思われます。


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滝を求めて、趣味のカメラを携え、東奔西走しています。
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