背戸峨廊

2016.08.04(Thu)

福島県いわき市にある「背戸峨廊」

2009年に一度周回コースで歩いてきましたが、その後、東日本大震災で長いこと通行止めとなっていて、昨年一度復旧しましたが、関東・東北南部を襲った豪雨によりまた通行止めになり、この7月16日にようやく復旧しました。
この情報をくれた滝仲間さん含め3人で解禁を噛み締めつつ、行ってきました。
訪問は、7月31日です。

なお、この一風変わった名称は、いわき市出身の詩人・草野心平が名づけたもので、隠れた岩壁が切り立ったところという意味合いとのことです。
ゴルジュのことを背戸・瀬戸ということもあり、また、アイヌ語との関係もあるのかもしれませんが、ガロー・峨廊といった名称も谷の間を川が流れる渓谷という意味もあるので、ともに似たような語源にはなっていますが、その名が語るとおり、低山地であるにもかかわらずゴルジュの様相が見事な渓谷です。

<アクセス>
県道41号の江田駅近くにあるトイレ併設の駐車場のすぐ先、右に入る道から橋脚下をくぐって少し進むと間もなく、背戸峨廊の駐車場となっており、ここからスタートします。

<アプローチ>
無題

ここには、正式には滝ではなく淵であったり、仮称にとどまる滝であったりも含めると10数本の滝があります。
駐車場をスタートし、間もなく沢に降りるルートを辿ると、約10分で「廻り淵」に到着します。
更に右岸沿いのルートを進んでいくと約7分で「トッカケの滝」が現われます。
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沢に入れば色んな角度から楽しめますが、右岸を進むと滝のすぐ横に立つこともできますし、水量も安定していて、なかなか良い滝です。
ここにかかる梯子を登って行くと間もなくゴルジュに掛かる滝が見えますので、トッカケの滝落ち口付近から沢に降り、落ち口を渡渉すると正面に「釜ん淵下流の滝」を見ることができます。
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落差はそれほど大きい訳ではないものの、幽谷の雰囲気が味わえる趣深い滝なので、ここはぜひ沢に降りることをお勧めします。
ここから約25分ほどで右岸奥の枝沢が「不動滝」となっていますが、奥まっている上、水量はほとんどなく、荒れたところを近づくほどではないと思います。
更に沢沿いを進むと約12分で末広がりの姿が綺麗な「片鞍の滝」に着きます。
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ここも結構広い滝壺を持っていますが、左右に移動すると雰囲気が異なり面白いです。
ここから左岸の梯子を登り、更に進むと約10分で屈曲しながら落ちる姿が特徴的な「龍門滝」です。
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段瀑と斜瀑の複合型になっているため実際の落差ほどに感じませんが、なかなか見事です。
更に約15分で、「黄金とろかし」、「黒鍋の淵」へと続きます。
右岸の梯子を登っていき、約10分で、左岸を登る道に進まずそのまま沢を行くと黒々とした深い滝壺を持つ「龍の寝床」ですが、崩落が進み、滝壺は以前よりだいぶ小さくなっています。
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コースに戻って竜の寝床を見下ろしながら進むとすぐ、上流部にある「心字の滝」を俯瞰できます。
更に進んで約7分、岩肌を滑り落ちる文様が印象的な「鹿の子滝」です。
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ここも見る位置で色んな姿を感じられますが、左岸寄りからできるだけ近づいて見た姿はなかなか特徴的です。
ここから左岸の梯子を登っていくと間もなく、すぐ上流に形を変えながらうねるように落ちる「見返り滝」が見えます。
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更に10分ほど進むとこの渓谷のクライマックス、「三連の滝」です。
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上の二段はよく見ないと確認できませんが、下段部は水量も豊富な綺麗な直瀑になっています。

沢登りコースはここで終了となり、尾根コースから戻ることになります。
なお、沢登りコースは歩く時間だけなら2時間ちょっとですが、撮影・休憩等を含めると3,4時間程度見ておいたほうが良いでしょう。
帰路の尾根コースに入り、約10分登っていくと早回りコースとゆっくりコースの分岐です。
前者は40分、後者は1時間の表記がありますが、手書きの時間がいくつか記載され、曖昧です。
前者はそこそこ勾配のある登山道を上り下りしながら戻るルートで、後者は遠回りで尾根筋の緩やかな登山道を戻るルートで、以前は後者のゆっくりコースで約1時間程度でした。
今回は早回りコースで戻りましたが、休憩なしで約55分でしたので、手書きの1時間とか1時間20分の表記はあながち間違っていません。
もしかすると、次第に荒廃していることにより、所要時間も長くなっている可能性は否定できません。
ゆっくりコースの出口も以前と変わったみたいですし、こちらも所要時間は手書きのほうを信用したほうが無難でしょう。

このコース、基本的にルートは整備されているので、登山靴でも問題はありません。
実際、登山靴で散策に来るハイカーは結構多いです。
ただ、沢靴で水の中を積極的に歩きたくなるコースなので、個人的には沢靴を推奨したいです。
以前はまだまともな沢歩きをしたことがなく、フェルトソールの沢靴で行きましたが、ルートに沿って進みました。
今回は、アクアステルスソールの沢靴で行きましたが、フェルトのほうがグリップが良さそうと感じるところが何箇所かありました。
そういうわけで、今回はシャワークライムはしませんでしたが、廻り淵、龍門滝、龍の寝床、心字の滝などは、登っていけそうな印象を受けましたので、これは次回訪問時の宿題としたいと思います。

ただ、一般の方への注意として、昨年の豪雨により、何箇所か大きな崩落・倒木が見受けられ、災害の爪痕が痛いほど感じられます。
元々、鎖場、梯子などが多いコースでもあるため、遊歩道完備の散策路とは思わないでください。
実際、滑落による死亡事故も過去に起きています。

今回、何箇所かの荒れた姿を見て悲しい気持ちになりましたが、人の手によるものではなく、災害による自然の姿とも言えます。
もちろん、これも自然の1つとして受け入れつつ、時間がかかっても、以前の美しい姿を取り戻して欲しいところです。
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Author:すずき
滝を求めて、趣味のカメラを携え、東奔西走しています。
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