王滝川百間滝

2017.07.25(Tue)

長野県王滝村にある「百間滝」

御嶽山にはいくつかの百間滝がありますが、そのうち、もっとも美しく、壮大な、全国屈指のものといえば、王滝川源流部にある百間滝でしょう。
王滝川を遡上した場合、丸2日がかりでようやく辿り着けるようですが、岐阜県側、濁河温泉からアプローチすれば日帰りも何とか可能です。
今回、滝仲間が「滝オフ会」リーダーに案内してもらえるとのことで、御一緒させてもらいました。
訪問は、7月15・16日です。

<アクセス>
県道435号の終点付近、市営の登山者用駐車場に駐車し、ここで登山届を提出します。
岐阜県は登山届提出が義務付けられているので、ここは重要です。
ここから車を集約し、県道脇、濁河温泉高原スポーツレクリエーションセンター近くの砂利の駐車場に駐車し、ここからスタートします。

<アプローチ>
無題

舗装路を進み、橋を渡り、更に進みます(材木滝方面)。
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地形図上には出ていませんが、意外ときれいな舗装路です。
約20分ほど歩いて、カーブミラー手前、ガードレールの始点脇から入っていきます。
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なお、基本的に小坂滝めぐりツアーのパノラマ滝・シン谷百間滝コースを利用する形になりますが、倒木も多く、不明瞭なので、GPSログ、コンパス等は必須です。

最初の沢は長沢(ツアーでは別の沢を長沢と言っている模様)で、これを渡り、更に踏み跡を辿ります。
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次の沢が兵衛谷となっており、ここから遡行開始します。
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沢筋、沢沿いと進みやすいところを進みます。
最初の分岐は左へ。少し進むとなかなか見事な無名瀑が出てきますが、右岸の草付きから巻けます。
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まもまく白い沢に出るので、ここから右に向かうように、緩やかな傾斜の樹林帯を進ます。
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パノラマ滝に行くにはこの途中で沢に下降して行くようですが今回はショートカットします。
一度、尾根に上がって、崖上を進み、木々の間から三段滝が見えたら、間もなく降りられそうなところから沢(シン谷)に下降して行きます。
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三段滝の途中に降り立ったら、いったん小さな段瀑の左岸を下り、樹林帯に入ります。
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今回、各自おおむね17~20キロくらいのザックを背負っていますが、ここにまた戻ってくるので、荷物をデポして、アタックザックでリスタートです。

樹林帯を緩やかに下りながら、隣の尺ナンズ谷に向かい、沢に降り立ちます。
ちょうど、パノラマ滝のすぐ上辺りに出るはずです。
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ここから尺ナンズ谷を遡行しますが、まず最初の二段滝は右岸の草付きから高巻きます。
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更にもう少し進むと三段滝が現れますが、まず最初は右岸側から滝を正面突破します。
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残りは右岸から高巻きます。
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ここを抜けてしばらく進むと、大崩落地点に出ます。
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以前は3本目あたりの筋から登ったようですが、崩落が進み取り付くことはできそうにありません。
やや戻って、大崩落部分の基点付近から取り付いて約40m登ると尾根筋に出ますので、尾根を越えるように向かうと、平坦な樹林帯に出て、県境をまたいで長野県に入ります。

緩やかに下っていくと、間もなく沢筋に出るので、これを降りて行きます。
途中から落差が大きくなってくるので、この滝からあまり離れないように、歩きやすいところを下降していきます。
約100m高度を下げると木々の間から念願の百間滝が見えてきます。
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ここからも慎重に高度を下げ、王滝川に降下すると、そこはもう百間滝目の前です。

スタートしてから約6時間、ようやく念願の王滝川百間滝に辿り着きました。

滝前には素晴らしい空間が広がり、下ってきた無名滝、そして百間滝左から落ちる無名滝が、百間滝に花を添えるように絶景を作り出しています。
末広がりの分岐瀑は息を飲むほどの美しさです。
細身の流身で落ちた後、最後は末広がりに落ちる姿は優美で、言葉になりません。
見る角度を変えれば姿も変わり、飽きることはないでしょう。
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名残惜しいですが、長居はできませんので、来たルートを慎重に戻ります。
県境を越えて再び岐阜県に戻ったら、大崩落地点の取り付きから下降し、沢を下ります。
パノラマ滝落ち口手前まで戻ったら尺ナンズ谷とはお別れし、樹林帯を進みます。
ザックのデポ地点で荷物を取りまとめたら、シン谷に戻って三段滝を登ります。

約300m進んでいくと、勾配の強い10mちょっとのナメ滝に出ますが、岩はホールドしやすく、グリップも効くので、恐れずに正面突破で直登します。
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更に少し進むと、左岸に苔生したところに湧水が落ちているので、夜・翌日の水(念のため、濾過、煮沸等はしたほうが良い)として利用させてもらいます。
そうして、中洲部分まで来ると、シン谷百間滝はもうすぐです。
(王滝川百間滝から約2時間半)

一度、ザックを降ろし、テン場を確保してから、急いで滝前に直行し、撮影します。
王滝川百間滝とは真逆の光景です。
滝本体は落差50mほどで王滝川百間に比べれば小さいですが、なかなか見事な分岐瀑です。
しかし、右岸に目をやると地質が異なった岩場で、かなり抉られています。
その姿はまるで悪魔の顔のようであり、全景を見ると、現世と隔世の狭間を思わせるような何ともいえない不思議な感覚に襲われます。
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時間は夕方6時近く。
急いで各自寝床をセットし、やや下流部で夕食・焚き火で滝談義です。
夜9時前には寝床につきましたが、やはり百四丈滝のときと同様、沢音でまともに寝ることはできませんでした。
翌日、本来なら、ここから百間滝を高巻き、神津滝・日本最高所の滝とシン谷を登り詰めたら賽の河原から飛騨小坂口登山道経由で下山予定でした。
前日からの体調不良のメンバーの状態は回復せず、また、ザックのベルトもバックルが破損し、厳しい状態だったこともあり、下山するとのこと。
ここで悩みました。
まず王滝川百間滝で十分自分の目標は達成していたこと、自分より遥かに熟練でこの辺の地形にも精通しているとはいえ、体調不良・ザックの危ない状態で単独で下山させるのは何かあったときのことも考えて個人的に嫌だったこと、そして2日目の長い行程を考えて不安もあったこと・・・これらを踏まえて、残りの4人で先に行ってもらい、自分は下山組にまわりました。
前述のパノラマ滝・シン谷百間滝のツアーコースをトレースするように約3時間半ほどで、無事下山することができました。

残りのメンバーは無事、神津滝・日本最高所の滝を詰め、夜8時頃に無事下山したことを申し添えます。
下山の判断が正しかったかどうかは分かりません。せっかくの機会だし、行くべきだったかもしれませんが、それでも自分の判断で下山組にまわったことは後悔していません。
最後まで行ってきたメンバーには本当に心から賞賛と感謝の気持ちでいっぱいです。

今回は、滝オフ会リーダーの素晴らしいリーダーシップによるところが大きいと思います。
何度か来ているとはいえ、ルートファイディングだけでなく、パーティー全体への気配り等のリーダーシップを含めて学ぶところも多く、貴重な経験でした。
次回は自らの力で再訪したい、そう思える滝行でした。


※全体的な留意点
本文中に樹林帯という言葉が何度か出てきますが、総じてクセモノだと思ってください。岩の上に樹木が倒れ、長い年月を経て一面苔の世界となっています。そしてこの倒木は腐食が激しく、ちょっと力を掛けただけで崩れ去り、岩の間に足が嵌ることも何度かありました。こういう状態のところが非常に多いです。また、7月でも、滝ツアーが始まっていなかったせいか、荒れたままでしたし、何よりツアーでも行きやすいところをその都度進む感じらしく、不明瞭な部分も多々あります。マーキングも新旧入り乱れていますので、ルートファインディングが重要です。

※装備
まず、王滝川百間滝だけなら日帰りも可能ですが、ビバークの用意は必須です。また、シン谷百間滝で沢泊してツアーコースで下山するほうが、行程としては安心でしょう。
足回りは、高巻き等も含めると、ラバーソールの沢靴のほうが全体としては有利かと思います。
水は、沢泊前提でなら2日目の分は湧水で賄えるので、初日の分として約2リットル、食料は軽量化も考えて5食分(昼夜、朝昼+予備)程度のほかに、携行食、非常食あたり。
当然ながらここに限らず必携のヘッドライト、エマージェンシーグッズ関係、雨具等は言わずもがな。
そして重要なのは、今回は使わずに済みましたが、ハーネス、スリング、カラビナ、下降器及び登高器の山岳道具は必要です(ザイルは共通装備)。

ヤマレコにアップした記録
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1203993.html


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すずき

Author:すずき
滝を求めて、趣味のカメラを携え、東奔西走しています。
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