一里滝(阿武隈源流一里滝沢)

2017.06.27(Tue)

福島県西郷村にある「一里滝」

阿武隈源流の沢の1つで、一里滝沢にあります。
そもそもの発端は、阿武隈源流本谷に行った後、所持していた沢登りの本&地形図の確認の中で、滝マークは出ていないけれど、沢名として滝の名を冠していること、そして一里というからには大きい滝があるはず(距離の可能性も否定できないけど)という興味からでした。
調べてみると、情報は少ないものの、落差70mとか100mとかあり、行程の詳細は分からないものの、おおよそのルートまでは把握できたことから、出たとこ勝負ではありましたが、少ない情報とGPS、地形図を頼りに、2人で行ってきました。
訪問は、6月24日です。

<アクセス>
国道289号を西に進み、安心院トンネルを抜けてすぐ、甲子温泉大黒屋方面に左折し、下ります。
急カーブを過ぎると間もなく数台分の駐車スペースがあります。この少し下った先に林道があり、ここにも数台分の駐車スペースがあります。ここに駐車して準備を整え、出発します。

<アプローチ>
無題
甲子大橋の橋脚下をやりすごしつつ進み、地形図の966m付近が分岐となります。
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ただ、この付近に、実は2つの右に分岐する踏み跡があります。おそらく最初の踏み跡が従来の沢に下りるルートだと思われますが、崩落により途絶えています。その先に微かに踏み跡らしきものが見受けられますが、あえて無理をする必要はありません。もし、眼下に堰堤が見えたときは、この踏み跡を来たと思って戻りましょう。
そのすぐ先に、2つめの分岐の踏み跡があります。

ここを進むと、だんだん痩せ尾根状になってきますが、先端付近(黒いパイプあり)から下っていって、途中から草つきの急斜面を下りていけば、本谷の川床に出ます。
なお、ここは往路は痩せ尾根になった段階で左に行ってトラバースしながら下りていきましたが、どちらでも問題ないでしょう。
ただ注意が必要なのは、痩せ尾根のほうは黒パイプのすぐ先辺りは木の根の下が大きな空洞になっていることを帰路で確認しましたので、下りるときは見えない足元に注意してください。

川床に出て対岸に目をやると、ゴロた岩の奥に滝が見えています。
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ここが一里滝沢で、本格的な沢遡行のスタートとなります。

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この出合いにかかるヤナノ滝は落差10mほどで、下から見るとくの字の階段状になっており、簡単に登れそうです。実際、沢登りの少ない記録を見ると、この右壁を登っているようです。
ですが、下部は簡単に登れるとして問題は上部です。まずホールドしたい岩はボロボロ崩れ、足場は下に向かって寝ている上、ヌメヌメしていて、ラバーソールでもフェルトソールでも難儀します。
我々は一段上の岩を使って突破しましたが、ちょっと厄介だと思います。
簡単に登れるとの記載も見ましたが、もしかすると時期によるかもしれません。ただ、いずれにせよ条件が悪ければ登りづらいことは事実なので、注意が必要です。
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もし直登が厳しいときは、手前の、ゴロた岩がある付近の右後方の急斜面から高巻いて尾根に出れば、ヤナノ滝落ち口より数十メートル先に降り立つことができます(帰路に見つけたエスケープルート)。

このあとは、ナメ、小滝、釜のへつり、巨岩帯、樹林帯とバリエーション豊かです。ただ、ヤナノ滝さえ突破してしまえば、登るのに苦労する滝は一里滝までの間にはありません。
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ヤナノ滝を突破してから約1時間、地形図の1085m付近で左岸高所に一里滝が見えてきます。
ここからは急勾配のガレを攀じ登っていくと、約5分で直下に到着します。
※スタートから約1時間40分

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地形図で確認すると上下各50m、計100mほどの落差です。上段はストンと一気に落下し、下段は岩肌を滑るように分岐しながら落ち、とても美しい姿をしています。
もし急傾斜のガレ部分の流れも含めるなら総落差150mくらいでしょうか。
今回、水量がかなり少なく、残念な結果ではありましたが、それでも、水量があればかなり素晴らしい滝であることは間違いないでしょう。

できれば、本流に戻って、この先の黒滝まで行きたかったのですが、スタートが遅れたこと、そして甲子温泉大黒屋旅館の温泉に入りたかったので、ここで撤収開始です。
時間的には順調に戻れば問題はないところでしたが、ヤナノ滝を直接降下せずにうまくエスケープルートを見つけられるかどうか次第というところもありましたから。

約1時間で問題の場所に出ました。
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実は少し手前で尾根に取り付けるところを探そうと話していましたが、気がつけば落ち口に・・・という状況だったため、いったん戻ってヤナノ滝の先、沢がカーブし終えた付近から左岸の斜面に取り付き、小尾根に攀じ登りました。
小さくトラバースして行くと、すぐに微かな踏み跡が見つかりました。
おそらくエスケープルートだろうということで、これを辿っていくと、間もなく眼下に沢が見えます。

地形図上、これが南沢であることはすぐ分かったので、そちらに向かっていくと、滝が1つ見えました。
ここまで来れば下りられそうですし、せっかくなので南沢F1滝にも立ち寄りました。

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落差は8mほどですが、なかなか良い滝です。
ここは滝正面をやり過ごすと右側にクラックがあるので、ここから登れそうです。

今回は時間もないので、ここで引き返し、南沢をそのまま下りずに少し登ると、ちょうどヤナノ滝手前の左岸壁の上に出ました。ここからは急斜面ですが柔らかい土なので、慎重に下りれば問題はないでしょう。
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無事降り立ったので、あとは本谷を横切り、急斜面を登り返し、踏み跡をトレースして本谷への林道に合流しました。

装備:ヘルメット、沢靴等。ほかに使わなかったが、ハーネス、スリング、カラビナ、補助ロープ、下降器などは持参した。また、急斜面の上り下りでは、ゴルジュハンマーが役に立ちました。
※濡れた岩はフェルトが吉、ただ乾いた岩ではフェルトは滑るので、総じてラバーのほうが良いかもしれません。
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チェック

三沢大滝

2017.06.17(Sat)

栃木県日光市(旧栗山村)にある「三沢大滝」

地形図にも滝マークすらない、ある意味、幻の秘瀑です。
それでも、滝好きならほとんどの人がその存在を知っているであろう有名な滝でもあります。
名前はなく、あくまで仮称に過ぎませんが、その名だけが一人歩きし、既にこれが名前として定着しているのではないでしょうか。
約60mと約50mの二条の滝が同じ滝壺で合流します。
これまでなかなか行く機会に恵まれず、今回、滝仲間が行くということで、総勢5人でアタックしてきました。
訪問は、6月4日です。

<アクセス>
龍王峡の駐車場で合流し、一台に集約、国道121号を北上してから県道23号を西進、三沢の左岸の林道終点に駐車し、ここからスタートします。

<アプローチ>
無題
林道終点から右に行くと山道ルート、左の急斜面を降りると沢ルートとなりますが、前者は崩落で危険があり、迷いやすいとの情報から、後者を選択しました。
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急斜面を注意して下って行くと、三沢に降り立ちますので、ここからは基本的に左岸の樹林帯の中の踏み跡を進みます。
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分かりづらいときは沢をそのまま進んでも問題ありません。何度か渡渉がありますが、どこが正解というものではなく、浅瀬だったり、歩きやすそうな場所だったりをそれぞれが選んで進む感じです。

1つ目の堰堤が見えたら、左岸から巻きます。
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次の堰堤も同様に、左岸から巻きます。すぐに工事の看板が見えるので、この先はしばらく樹林帯を進んだほうが楽です。
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3つめの堰堤は、それまでどこを歩いているかにもよりますが、低いので直に登るか、左岸から巻くかのいずれかになると思います。すぐ上で工事用の林道が合流します。ちなみに右岸側からは、免罪符を持っている人のみ、ショートカットでは入れるようですが、工事関係でないのに入れるというのは納得が行きません。入るのを認めるくらいなら、誰にも等しくあるべきかと思います。これは布引の滝でも感じました。
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少し進むと4つめの堰堤があります。右側におそらく積み石と朽木があると思いますが、石は脆く、朽木も安定していませんから、素直に右岸、堰堤脇から巻いたほうが簡単です。
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更に少し進んで右岸上部に柱状節理の断崖が見えたら、最後の堰堤があります。ここは堰堤脇からも行けそうですが、ホールド位置があまり良くないので、少し手前の残置ロープがあるところまで戻って、ここから巻いたほうが簡単です。
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ここまでで約1時間20分ですが、まだまだ先は長いです。

大崩落地帯を何度かやり過ごしたり、ゴーロ帯、樹林帯そして沢を直接進んだりしながら進みます。
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ここまでの行程でもそうですが、特にゴーロ帯は注意が必要です。安定していると思い、体重を掛けると簡単に動く浮石がたくさんあります。一気に体重を掛けるとそのまま岩と一緒に自分も転倒しますし、運が悪ければ岩の下敷きで大怪我をします。
慎重に、見極めながら進みましょう。
左岸の樹林帯には炭焼き小屋跡がいくつかあるので、獣道と化しているとはいえ踏み跡はうっすらとですが見つかります。ときには小尾根を登って、踏み跡を探しながらのほうが楽かもしれません。

地形図上だと三沢は分岐のない一本の沢に見えますが、終盤に入ると実際はいくつもの枝沢があります。ほとんどは明らかな枝沢なので問題ないですが、最後、Y字状の二俣の分岐が見えたら右に進みます。ちょうど地形図上に見える沢が右に逸れて行く付近です。一見すると左が本流にも見えるので、地形図・コンパス・GPS等はあったほうが良いです。

ここまで来ればもう少しです。山葵の自生地を過ぎると、まもなく遠くに三沢大滝が見え隠れしますので、あとは一気に進むだけ。
約4時間半(休憩を除けば約4時間)で、ようやく到着しました。
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これだけの規模の滝が1本だけでもすごいのに、2本かかっていて1つの滝壺に合流し、三沢を形成する・・・周囲の囲まれた地形と併せ、感慨深くもあり、自然のすごさも感じます。

訪問時は、水量はそれほど多くはなかったのですが、風が強く、さながら暴れ竜でした。しかしながら、青空とセットで見ることができ、撮影条件は悪かったですが、印象深い情景でした。

いつまでも感動に浸っている訳には行きません。帰りも約4時間かかることを考えれば、やはり遅くとも午後1時くらいには帰路につくべきでしょう。
12時半くらいに出発し、帰路は慎重に、できるだけ沢筋の尾根等、不明瞭な踏み跡を使い、休憩も挟みながら歩きました。
約4時間(休憩を除けば約3時間半)で全員無事、出発地点に戻ることができました。
このあと、鬼怒川の温泉で疲れを癒し、夕食をとってから解散となりました。

※注意点
既述のとおり、特にゴーロ帯は浮石が多いので、慎重に進む必要があります。
それ以外は危険箇所はほとんどないので、とにかく浮石に注意することです。
装備については、足回りは沢靴、頭部はヘルメット推奨です。また、長時間の行程となることから、多めの飲料、ツェルト、ヘッドライト、雨具、エマージェンシーキット等は当然持参するべきです。

なお、釣り人が先に入渓しているときは更に注意が必要で、基本的に釣りヤと沢ヤ・滝ヤは相容れない(というか、釣りヤに一歩的に毛嫌いされる)ので、釣りヤを見つけたら、樹林帯を進みましょう。気にせず沢を進むと不毛な争いをすることになりかねません。

ヤマレコ
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1167317.html
チェック

プロフィール

すずき

Author:すずき
滝を求めて、趣味のカメラを携え、東奔西走しています。
メインのHPはコチラ。
「ぶらり滝めぐり」

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