浄の滝

2016.10.16(Sun)

山形県戸沢村にある「浄の滝」

かつては秘境の滝でしたが、林道の開通によりアプローチはかなり容易になっています。ただ、以前はあった案内がなくなっていることから、駐車場までの道が分かりづらいと思います。日本離れした絶景は見事で、実際に見えるのは滝の一部ですが、それでも大自然の雄大さに圧倒されます。
訪問は、10月9日です。

<アクセス>
国道47号から戸沢村役場のやや西で県道57号に入り、ここから7キロちょっと、角川地区で郵便局先を今神温泉方面に右折します。
更に4キロ弱でY字路になっていて、今神温泉の案内が出ていますが、橋のたもと手前の右手に青い屋根の倉庫が見えるのでここを右に入ります。
少し進むと未舗装の林道になり、しばらく道なりに進むと、途中で右上に上がっていくY字路の分岐がありますが、砂利道を道なりに行くと、壊れた欄干の鉄橋を渡ります。
さらにしばらく走ると突然広い舗装された道路に出ますが、これは一部区間のみで、カーブする道を上がっていくとすぐ未舗装路に戻ります。
間もなく砂利道が二俣に分かれるY字路になりますが、ここは左上に進むとすぐに駐車スペースがあり、ここに浄の滝の案内もあるので、ここからスタートします。
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<アプローチ>
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基本的には遊歩道(登山道)になっており、ところどころで案内もあるので、迷うことはありませんが、一部崩落しているところもあるので、多少の注意は必要でしょう。
右手に堰堤を見ながらしばらく進み、沢の右岸に降り立ちます。
ここからも普段は右岸通しでその先の道に行けるようですが、訪問した日は、前日夕方から朝までかなりの雨が降ったことからかなりの増水で、しかも濁流だったことから川床が見えず、本流の中にある大岩の手前で一度渡渉しました。
更にここを過ぎたところから対岸に道が見えましたが、流れは早く、危険も伴いましたが、目を凝らし足場を見つけて渡渉しました。
なお、同行メンバーの1人はスパイク長靴で行ったため、浸水しないよう渡渉に苦労し、しばらく左岸沿いに進んでから何とか右岸に辿り着きました。
再び道なりに進むと階段を下りたところで枝沢を渡り、また道なりに進んでいくと、浄の滝が遠くに見えてきます。

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沢に出て道が途切れたところで、対岸に踏み跡が見えますが、そのまま進んでも木が邪魔をして見づらいので、ここから沢を溯上します。
間もなく滝直下に着きますが、やはり沢がかなりの増水をしており、直下まで行ったのは私を含め2人、残りの2人は少し引いたところまででした。

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最初にも書きましたが、日本離れした絶景は見事で、ゴルジュの間を形を変えながら落下します。直下からは最下段の約40mしか見えませんが、それでも大自然の雄大さは圧巻です。
訪問時は水量がかなりすごく、亀甲模様の特徴的な岩肌はほとんど確認できませんでしたし、立てるポイントはかなり限られてしまったので、撮影もほとんど決まったアングルからでした。
ここはぜひ通常の水量時に再訪問して、立ち位置を変えたり、岩を登ったりしてみたいところです。

なお、往路は、徒渉に少し手間取ったこと、全員が渡渉できるまでに時間を要したことから約1時間かかりましたが、復路は30分弱で戻れたので、通常のコースタイムで30分程度見れば着けるのではないかと思います。
行程の中で泥濘の部分が結構多いですし、通常なら長靴でも良いと思いますが、増水しているときは簡単に浸水するので全般的には濡れても問題のない沢靴のほうが良いかもしれません。
というより、増水時には行くのは危険を伴いますので、歩き慣れていない人は止めたほうが良いですし、仮にそれを強行して何かあっても自己責任という覚悟は持ちましょう。

こう書くと危険な行程と思われるかもしれませんが、通常時であれば片道30分程度で迷うこともなく、手軽に行ける滝で、しかも素晴らしい絶景が待っているので、ぜひお勧めしたい滝の1つです。
むしろ、駐車場に辿り着くまでがちゃんと確認していかないと撤退という可能性もあるかと思われます。

※追記
10月16日現在、滝仲間が行こうとしたものの、道路がかなり手前で鉄パイプで封鎖されていたそうです。
狙われる方は、あらかじめ戸沢村役場等に確認したほうが良さそうです。
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チェック

ニ天の滝&中の滝

2016.10.02(Sun)

秋田県仙北市にある「ニ天の滝」

事の発端は5年ほど前に、絶版となった「あきた滝300」の最後の一冊を著者の佐藤俊正さんから譲っていただいたことに遡ります。
そして昨年、私の直前に佐藤さんから同様にこの本を入手できた滝仲間さんとはしばらく連絡は途絶えていましたが、とあるきっかけからまた連絡するようになりました。
そして、その方から「あきたの滝500」が出たこと、佐藤さんに秋田を案内してもらえるということを聞いて、同行させてもらったことが大きなきっかけです。
その際、ニ天の滝に行きたいという話を2人でしたところ、佐藤さんから案内の快諾を得ることができ、また、佐藤さん及びその滝・撮影仲間さんたちの人柄に触れ、交流を持たせていただける幸運に恵まれました。
そうした中、今年の5月辺りから佐藤さんと連絡をとりつつ、日程調整を行い、ニ天の滝を目指し、今回4人で秋田に遠征をしてきました。
道の駅鹿角で佐藤さんと再会を果たし、そこから宝仙湖近くのプレイパーク戸瀬へ。ここで、同行させていただく中泉さん、川見さん、ながのさん(字が分からないのでかな表記にしています。)と合流しました。ちなみに中泉さんは去年もお会いしているので、久々の再会です。
ニ天の滝は、基本的には下流側からのアプローチですが、今回、上流部からニ天の滝を目指し、下流の中の滝を経て、下流部に抜けるプランを用意いただき、まず2台を下流部にデポしてから入渓地点に向かいます。
訪問は、9月22日です。

<アクセス>
国道341号沿い、宝仙湖の北部にあるプレイパーク戸瀬付近から、旧ブナ森林道に入って約10キロ進みます。ニ天の滝・中の滝のある湯渕沢にかかる橋の手前に2,3台の駐車スペースがあり、ここからスタートします。

<アプローチ>
無題
(ダウンロードしていただくと、大きな画像で見ることができます。)

湯渕沢にかかる橋手前の藪の中を沢に沿って下流部へ進み、沢に降ります。
ここからは基本的に沢をひたすら下って行きます。
ところどころ深い場所もありますが、ほぼ標高差を変えることなく進むので難所は一切ありません。
約45分ほどで、まずはニ天の滝の落ち口に着きます。
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ここから落ちて死んでいる人もそこそこいるようで、近づけるところまで近づいてみました。ここから周囲の景観を見るだけでも、ニ天の滝がかなりの落差を持っていることが分かります。
ここから降下することはできないので、いったん約500mほど、沢を戻ります。
沢が大きくカーブしているところから急斜面を約70m一気に登りますが、尾根に取り付くのはちょっと大変で、沢靴にピンスパイクを装着し、用意していただいたザイルを補助に登りました。
そこから馬の背になった尾根を下り、緩やかな傾斜になったらここから藪漕ぎしながらニ天の滝前に周りこむようなイメージで進みます。
尾根に取り付くところから約40分ほどでニ天の滝に到着です。
なお、こうしてみると簡単なようですが、尾根に取り付くところから滝前に下って行くところまで、ピンポイントでのルートファインディングが重要です。
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幅広の直瀑かと思いきや、分岐瀑の要素も兼ね備えた大きな滝で、切り立った断崖もなかなか見事です。直下から見上げると、まさに天空から真っ直ぐに落ちてくるような姿は雄大かつ優美です。
秋田は滝の宝庫で、東の秋田、西の奈良が横綱と称されるほどですが、その秋田においても屈指の名瀑といえるでしょう。

ここから中の滝を目指し、湯渕沢を下っていきます。
こちらも二天の滝上流部ほどではないにせよ、基本的には大岩を下るようなところはほとんどなく、距離にして約2キロ、標高差にすると約150mほど下るように進むイメージです。
約1時間半で中の滝のやや上流部のカーブしたところに出るので、ここから再びピンスパイク及びザイルを補助に約50m登って尾根に取り付き、ここから傾斜が少し緩くなるところと切れ込んだ沢筋&崖部分とのギリギリのところを狙って約80m下ると、中の滝最下段手前に出ます。
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ここからだと最下段しか見えず、普通の二条の滝と思いがちですが、少し下流部に下ると全景が見えます。2段目付近はひょんぐっていて、最上段から合せるとニ天の滝とほぼ同じくらいの落差があり、なかなか見事です。

時間も押してきているので、早々に下流を目指します。
基本的には右岸・左岸に踏み跡があるところも多く、うまくルートを選べば約45分で沢沿いの踏み跡から抜け、林道を約15分で湯渕沢から宝仙湖に合流するところの少し先、急カーブ付近のデポポイントに到着です。

ここから車でプレイパーク戸瀬に戻りました(上流にデポした車の回収も含めるとそこそこの時間を要します。)。

なお、秋田在住のメンバーはフェルト沢靴でしたが、私は愛用のラバーソールの沢靴で行きました。上流部はほとんど滑ることがなく、急斜面においてもフェルトよりグリップは確実に効きます。一方、二天の滝から中の滝まで(上流部の尾根に取り付く付近)は苔生した岩も多く、多少滑ることもあり、フェルトのほうが安定して歩ける感じではありました。全体の行程で見ると一長一短だと思いますが、履き慣れたものが良いかもしれません。

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<あとがき>
なお、今回の行程では、事前に皆さんにかなりの準備をしていただいていたことを道中で知りました。初訪問の我々が危険に晒されることなく踏破できるよう気配りいただき、とりわけ、川見さんとながのさんは、お盆の時期に、下流から入ってマーキングをつけながらニ天の滝上流部まで行って往復するという行程をとってくださっていました。
おふたりとは、この日の行程のみではありましたが、感謝の念が絶えません。

またこれだけでなく、皆さんには翌日も盛大なおもてなしをしていただいたので、それについても触れたいと思います。
初日、佐藤さんと合流した際、明日は夜の準備(きりたんぽ鍋)があるので別の仲間が滝に同行すると伺っていました。翌日、佐藤さんには桃洞の滝入口まで御一緒いただき、そこで前日に引き続き中泉さん、そして昨年御一緒いただいた小谷部さんと合流し、桃洞の滝まで同行いただきました。
予定では九階の滝まででしたが、前日からの雨もあり、桃洞の滝でいったん解散し、我々はお手軽滝をいくつか見て周ってコテージに戻り、皆さんに挨拶を済ませた後、温泉に入りました。

佐藤さんから電話をいただき、佐藤さんたちの泊まっているコテージにお邪魔し、夜の宴が始まります。
様々なお酒類はもちろん、なにより天然なめこ汁、天然舞茸と比内地鶏仕立てのきりたんぽ鍋、そして北海道直送ラム肉のジンギスカン・・・その美味しさ、それ以上に佐藤さんたちからの心遣いに本当に感動しました。
遅れて、ラム肉を提供くださった土谷さんも合流し、いっそう滝・写真の話で盛り上がり、来年のプランもさっそく話を進めさせていただきました。

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併せて、昨年名刺でお知らせした私のHPを見て写真を「素晴らしい」と褒めていただき、佐藤さんたちが2年ごとに開催している写真展に、「再来年の開催時にぜひ出展して欲しい」とまで言っていただける光栄に感謝・感動が止まりませんでした。特に小谷部さんは数多くのコンテストでグランプリをとっており、有名な風景写真カメラマンとも親交があるので、そういった方と同じ舞台で写真を展示いただけるというのはこの上ない光栄でした。

その後、関東から同行した3人は先にコテージに戻りましたが、引き続き写真談義をさせていただき、土谷さんからは「帰りに食べて」とブドウもいただきました。
佐藤さん、小谷部さん、土谷さんが就寝した後も、中泉さんとは写真談義に花が咲き、気がつけば深夜11時40分過ぎ・・・中泉さんとは1時間ほど2人で話しこんでいたようです。
翌日も朝食まで用意してくださり、最後は出発前に記念撮影をしてから、来年の再会を誓って帰路につきました。
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(佐藤さんからは掲載許可を頂いています。顔出しOKの方もいますが、今回、佐藤さんと自分のみ顔出ししています。)

本当に、皆さんとこうして交流を深めさせていただけることに感謝するとともに、改めて佐藤さんの人柄に触れ、仲間が集まることも納得させられました。
私に限らず、滝の本を参考に滝を巡っている滝ヤは多いですし、そういう身からするとその本の著者と知り合える機会はそうそうありません。それにとどまらず、実際に一緒に行けたり交流を持ったりできるのは、その本のファンであればあるほど、嬉しさも大きいものです。そして、その方から、「むしろ本を見てその滝に行きたいと言ってくれる、こうして来てくれることが嬉しい」とまで言っていただけるのは本当に嬉しいものです。

併せて、今回ニ天の滝から中の滝までの行程において、改めて佐藤さんの凄さを感じたことも申し添えます。第一次ベビーブーム世代にもかかわらず、歩きは軽快で、沢においても迷うことなく安定した歩行で、仲間の方と話す中で、自分たちも佐藤さんと知り合ってそれに驚かされつつ、御一緒いただく中でそれに付いて行けるようになったと伺いました。油断していれば簡単に視界から消えてしまうほどで、一緒に行った滝仲間も舌を巻き、ついていくのは諦めたと言っていました。私は、意地でも付いて行こうと心に決め何とか離れることなく付いていくことができましたが、歩くのが早いと言われることが多い私でもなんとか付いて行けるほどでした。

人柄だけでなく、そういった姿を拝見して、改めて自分もこの先々もこのようになりたいと強く感じました。
この場を借りて改めて、佐藤さん、中泉さん、小谷部さん、土谷さん、川見さん、ながのさんにお礼を申し上げます。
ありがとうございました。そして、今後ともよろしくお願いします。
チェック

モーカケの滝

2016.09.19(Mon)

福島県桧枝岐村にある「モーカケの滝」

尾瀬に向かう途中に駐車場があり、その先にある展望台からの遠望が基本ですが、滝壺に行こうと思い立ったのが約3年前です。
その後、アタックを予定するも、ことごとく台風、豪雨等の災害で断念し、ようやく積年の課題をクリアするときが来ました。
訪問は、9月17日です。

なお、普段ならもっと下調べをしてアタックするところですが、「七入橋からモーカケ沢を進めば良い」「平坦な沢を進むだけ」「約30分」「簡単」という断片的な情報だけで行ってしまったため、無駄に時間を費やしてしまいました。
あえて、そこを伏せ、短縮できて安全なルートだけを書くことは可能ですが、恥をさらすのも承知で、進んだルートについてもきちんと書こうと思います。
(ここまで書くと、すごいミスをしたかのようですが、ただ断片の情報をもとに七入橋からひたすら沢を進み、短縮ルートを使わなかったというだけです。)

<アクセス>
国道352号を西に進み、尾瀬を目指します。登り口に当たる七入に大きな駐車場があり、ここに駐車してスタートします。

<アプローチ>
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七入バス停のすぐ先に七入橋があります。
ここから、今回は七入沢に降りて遡行し、約400m進んだ先で左手から流れ込んでくるモーカケ沢に入りました。
沢はヌメる岩で黒ずんだ苔のほか、藻がたくさん生えていて、かなり滑りやすかったです。しかもところどころ深みがあり、意外と歩きづらい印象です。
モーカケ沢に入ってからも基本的に沢の渓相は同じです。藻は下流に多く、上流に進むにつれほとんどなくなりましたが、深いところは、樹林帯に退避しながら進めますが、基本的にかなりの藪の中になります。

モーカケ沢に入って約100mすると、木の橋が見え、左右に遊歩道が延びています。つまりは、ここから沢に入れば安全かつ楽だったのです。
ここに来るには、七入橋から登山道に向かい、「尾瀬自然観察の森遊歩道」の看板に従って右に入ってまもなく、左手奥に七入山荘が見えるところで同様の看板があり、その下に「モウカケの滝入口」とあります。これをずっと進むと展望台に出るのですが、途中で七入沢を渡るところにある橋がこれです。
そのため、このルートを辿れば、約10分ほど短縮でき、かつ、少なくとも序盤は楽に行けます。

この橋を越え更に沢を遡行します。基本的に、ほぼ平坦なのは変わりませんが、深みがある、ヌメる、退避できる樹林帯は藪漕ぎというのも同様です。
橋を越えて約30分で樹林越しにモーカケの滝が見えてきます。そこからは急にゴロゴロした大岩を越えていきます。
滑りやすいところも多く、真ん中・右岸・左岸とルートを見極めながら進み、最後は右岸を少し直登して小さく高巻き、約15分ほどで滝壺に到着です。

往路の所要時間はおおむね以下のとおりになると思います。
七入駐車場~七入橋  約5分
 ・ルート1 七入橋~(沢遡行)~遊歩道の橋  約20分
 ・ルート2 七入橋~(遊歩道経由)~遊歩道の橋  約10分
遊歩道の橋~モーカケの滝直下  約45分

駐車場からだと約1時間(ルート2の場合)ですが、おそらく以前にいくつかのサイトで見た30分から40分程度というのはこの遊歩道にかかる橋から入渓した場合かと思われます。年々、災害の影響で状況は悪くなっていますし、今後、更に行きづらくなる可能性は十分高いでしょう。

さて、直下から見上げるモーカケの滝、なるほど裳をかけたような美しさです。
しかも直下の岩が抉られ、オーバーハングして落下してくる姿は、女神三滝の白糸の滝にも似ています。
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左岸から入れば、最初は思いっきり濡れますが、そのあとは、濡れずに裏見もできます。
ただ、滝直下に落ちている巨岩、そして岩肌を見ると、いつ姿が変わってもおかしくない状況です。
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現に、動画を撮るために裏見をしていたとき、上で「ミシッ、ギシッ、バキッ」って音がしました。この音で慌てて退避しましたが、あとで動画を見返してみると、小さな岩の破片が落ちてきました。
したがって、裏見をするにしても、かなり注意して、しかも覚悟をもって行かないと、運が悪ければ巨岩の下敷きになって昇天(又は地獄行き)です。

最後に、ざっくりとまとめを。
七入橋から入渓せず、遊歩道を進み、モーカケ沢にかかる橋から入渓すること。
ほとんどの行程は平坦ですが、基本的にヌメりがあり、深みもあり、樹林帯は藪漕ぎになること(沢靴はアクアステルスよりもフェルト推奨)。
滝が見えてから直下までは巨岩帯を乗り越えること。
裏見はできるものの、岩が脆く、いつ崩落してもおかしくないこと。

注意点ばかりを書きましたが、約1時間で、さしたる危険箇所もなく、あの美瀑を見ることができるのですから、ある意味お手軽な部類とは言えるかもしれません。
遠望でも確かに綺麗ですが、直下からの美しさはその比ではありません。
ある程度、沢歩きに慣れた人なら、ぜひ直下から見てもらいたいと思います。
チェック

阿武隈源流本沢(赤滝ほか)

2016.09.03(Sat)

福島県西郷村にある「阿武隈源流本沢」

阿武隈源流部には、大きく分けて、今回訪問した本沢以外にも、一里滝沢、南沢、白水沢があります。
その中でも本沢の代表格、赤滝は、恐竜の背骨、ゴジラとも称されるインパクトの大きい特徴的な滝ですが、この滝に逢いに、滝仲間と総勢5人で行ってきました。
訪問は、8月27日です。

前夜から雨で、この日も小雨とはいえ、ほぼ降り続いていて、沢はかなり増水していました。
雄滝までで引き返すか、行けるところまで行ってみるか、ギリギリまで迷った挙句、唯一の経験者で案内人の「鉄砲水はない」の一言、そしてメンバー全員そこそこの経験は積んでいること、他のメンバーの表情等から、最終的には行けるところまでの選択をし、結果的には赤滝まで行ってくることができましたが、個人的に懸念した帰路の増水は予想どおりで、参加した以上は個々の自己責任とはいえ、企画した身としては仮に参加者に何かあれば私の責任ということもあり、全員が無事に帰ることが至上命題ですから、その意味ではアタックすべきではない状況だったことを申し添えます。

<アクセス>
国道289号を西に進み、安心院トンネルを抜けてすぐ、甲子温泉大黒屋方面に左折し、下ります。急カーブを過ぎると間もなく数台分の駐車スペースがあり、この少し下った先に林道があり、ここから入ります。すぐ、甲子大橋の橋脚下をやりすごしつつ進んだ先が本格的なスタートとなります(アプローチ図①)
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なお、駐車スペースは、林道入口よりもう少し先にもあります。

<アプローチ>
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林道を約15分進むと、「危険につき沢の方へ迂回してください」の表示(アプローチ図②)があります。
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以前はこのまま進めたのですが、崩落により迂回せざるを得ないため、一度沢に下ります。
左手に堰堤が見えたところで、沢から山道に入ります。
すぐに分岐(アプローチ図③)(訪問時、青いトタンあり)があって、よく見ないと再び沢に行ってしまいがちですが、そのまま左側に向かって山道を進むのが正解です。
仮に沢に下りてしまったときは、その先の堰堤を越えることができないため、右岸の急斜面を強引に攀じ登る必要があります。
山道を進んで、ロープを伝って沢に下りる(アプローチ図④)と、堰堤のすぐ上に出たことが分かります。
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ここからは基本的に沢の遡行になりますが、訪問時はかなりの増水であったため、途中、右岸・左岸と移動し、歩けるところを進みましたが、通常の水量であれば基本的に沢をそのまま進んでいけそうです。
途中、有名な(?)「阿武隈川ひとまたぎ」がありますが、このときはかなりの増水で危険でした。
何箇所か、鎖場、ロープあるいはフリーでへつりながら進んでいくと、スタートから約1時間40分で雌滝(アプローチ図⑤)に到着です。
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落差は決して大きくはないものの、オーバーハングした断崖から落下する直瀑で、濡れずに裏見ができます。滝壺は広く、訪問時の悪条件ですら、美しさが分かるほどでした。この上に渓流瀑帯があり、落差15mというのはそれを含めてのものかと思われます。

ここからわずかに戻ると、右岸に鎖があるので、この岩場を直登します(アプローチ図⑥)
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そこから尾根筋を進んでいくと、分岐があり右下に雄滝が見える(アプローチ図⑦)ので、踏み跡を辿って下って沢に出て少し遡行すると、雌滝から約10分で雄滝(アプローチ図⑧)に到着します(約60mの登りと下り)。
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本沢最大クラスの落差50mの直瀑で、豪快かつ端正な姿は爽快です。
このときはかなりの水量で、近づくと息ができないほどの瀑風でした。
ここも本当は美しい滝壺を有していますが、増水のために楽しむことができなかったのは残念です。

更に先を目指すため、約60m登り返して尾根筋に戻ったら、そのまま約100m登っていきます。帰路に気づきましたが、結構な痩せ尾根なので、足を踏み外さないよう気をつけましょう。
ここからロープ伝いにトラバースするとルンゼが出てくるので、ここからもロープも使いながら約20m攀じ登ります(アプローチ図⑨)
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トラバースしてからルンゼに取り付くところは、かなり岩肌が脆くなっており、落石も多いので、慎重に進む必要があります。

ルンゼを登りきったら、ここからはひたすら沢を目指して下ります。
緩やかに下って行くと間もなく、急斜面に出るので、安全を期すならザイルを出したほうが良いかもしれません。なくても行けますが、安心感が違います。
途中、踏み跡が少し不明瞭になりますが、歩きやすいところを見極めながら下って行くと、天狗滝が見えてきます。
沢まで下りると、ここは本沢の枝沢、天狗滝沢となっており、少し遡行していくと、雄滝から約1時間で天狗滝に到着します(アプローチ図⑩)
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この天狗滝、荒々しさが特徴的な阿武隈源流本沢にあって、唯一の安らぎの形状をしている滝といえるかもしれません。落差30m、直瀑と分岐瀑の組み合わせは、なかなかの美しさです。

天狗滝沢を下って行くと、本沢と合流します。
なお、少しルートから外れ、本沢を下って行くと雄滝の少し上流部に、約30mの無名瀑が左岸から落ちています。また、天狗滝沢と本沢が合流するところはいくつかの小滝がありますが、最下流部の幅広のもの(アプローチ図⑪)は、なかなかの美しさです。
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沢の水が少ないときは、天狗滝沢から本沢に下りてしまって良いのかもしれませんが、そのままは進めなそうでしたので、天狗滝沢から本沢に落ちる小滝の上を渡って、トラバースして淵となった激流をやり過ごしてから本沢に下ります。

本沢に出たら、そのまま遡行していくと、2つの沢の出合いが見えてきます。一見すると正面が本沢と思いがちですが、こちらは地形図に出ていない赤滝沢ですので、まずは右手の本沢を進みます。
間もなく見える滝が霧降滝で、天狗滝から約30分で到着します(アプローチ図⑫)
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霧降滝は、岩肌で形を変えながら落ちており、ここは濡れるのを覚悟すれば、裏見ができます。直下から見えるのは約15mですが、その上に連瀑帯があるようで、落差20mは、それも含めてのものと思われます。
なお、本沢はこの上にも滝がいくつかあるようで、沢ヤはそちらを詰めていくようです。

本沢を下り、赤滝沢に入っていくとすぐ奥手に、念願の赤滝が見えます。霧降滝からは約5分ほどなので、すぐ近くです(アプローチ図⑬)
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落差50m、金属イオンにより少し赤みがかった岩肌、まさに恐竜の背骨のような、ゴジラとも称されるこの赤滝は、他に類を見ない独特の形状をしています。
自然の力を思い知らされるとともに、どうやってこの形状となったのか、時の流れに思いを馳せたくなります。
この本沢筋の滝群はどれも素晴らしく、それぞれが単体でも訪れる価値のある滝ですが、赤滝を見た瞬間、それまでの個々の感動がすべてリセットされてしまったかと思えるほどに、この赤滝は素晴らしく、また、印象深い滝です。
ここも滝壺はなかなかの美しさを見せてくれました。
念願の赤滝を見ながらの昼食は、ことのほか格別でした。

赤滝まで約3時間半、危険箇所、不明瞭箇所もありますが、特に赤滝は行くだけの価値のある素晴らしい姿をしていますので、次回は、晴れの日、通常の水量のときに行きたいと思います。

なお、足回りですが、沢歩きが主体となり、へつりもあるので、沢靴が良いでしょう。
ソールは、ステルスのラバーソールでも、一般的なフェルトソールでも大丈夫かと思われます。

崩落等により以前とはルートが変わっていること、沢の渓相によっては進むルート・難易度・危険度も変わってくるので、注意は必要です。基本的にマーキングはありますが、ところどころルートが不明瞭なところもあるので、ある程度の熟練者以外は、案内人がいたほうが安心だと思います。
チェック

背戸峨廊

2016.08.04(Thu)

福島県いわき市にある「背戸峨廊」

2009年に一度周回コースで歩いてきましたが、その後、東日本大震災で長いこと通行止めとなっていて、昨年一度復旧しましたが、関東・東北南部を襲った豪雨によりまた通行止めになり、この7月16日にようやく復旧しました。
この情報をくれた滝仲間さん含め3人で解禁を噛み締めつつ、行ってきました。
訪問は、7月31日です。

なお、この一風変わった名称は、いわき市出身の詩人・草野心平が名づけたもので、隠れた岩壁が切り立ったところという意味合いとのことです。
ゴルジュのことを背戸・瀬戸ということもあり、また、アイヌ語との関係もあるのかもしれませんが、ガロー・峨廊といった名称も谷の間を川が流れる渓谷という意味もあるので、ともに似たような語源にはなっていますが、その名が語るとおり、低山地であるにもかかわらずゴルジュの様相が見事な渓谷です。

<アクセス>
県道41号の江田駅近くにあるトイレ併設の駐車場のすぐ先、右に入る道から橋脚下をくぐって少し進むと間もなく、背戸峨廊の駐車場となっており、ここからスタートします。

<アプローチ>
無題

ここには、正式には滝ではなく淵であったり、仮称にとどまる滝であったりも含めると10数本の滝があります。
駐車場をスタートし、間もなく沢に降りるルートを辿ると、約10分で「廻り淵」に到着します。
更に右岸沿いのルートを進んでいくと約7分で「トッカケの滝」が現われます。
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沢に入れば色んな角度から楽しめますが、右岸を進むと滝のすぐ横に立つこともできますし、水量も安定していて、なかなか良い滝です。
ここにかかる梯子を登って行くと間もなくゴルジュに掛かる滝が見えますので、トッカケの滝落ち口付近から沢に降り、落ち口を渡渉すると正面に「釜ん淵下流の滝」を見ることができます。
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落差はそれほど大きい訳ではないものの、幽谷の雰囲気が味わえる趣深い滝なので、ここはぜひ沢に降りることをお勧めします。
ここから約25分ほどで右岸奥の枝沢が「不動滝」となっていますが、奥まっている上、水量はほとんどなく、荒れたところを近づくほどではないと思います。
更に沢沿いを進むと約12分で末広がりの姿が綺麗な「片鞍の滝」に着きます。
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ここも結構広い滝壺を持っていますが、左右に移動すると雰囲気が異なり面白いです。
ここから左岸の梯子を登り、更に進むと約10分で屈曲しながら落ちる姿が特徴的な「龍門滝」です。
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段瀑と斜瀑の複合型になっているため実際の落差ほどに感じませんが、なかなか見事です。
更に約15分で、「黄金とろかし」、「黒鍋の淵」へと続きます。
右岸の梯子を登っていき、約10分で、左岸を登る道に進まずそのまま沢を行くと黒々とした深い滝壺を持つ「龍の寝床」ですが、崩落が進み、滝壺は以前よりだいぶ小さくなっています。
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コースに戻って竜の寝床を見下ろしながら進むとすぐ、上流部にある「心字の滝」を俯瞰できます。
更に進んで約7分、岩肌を滑り落ちる文様が印象的な「鹿の子滝」です。
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ここも見る位置で色んな姿を感じられますが、左岸寄りからできるだけ近づいて見た姿はなかなか特徴的です。
ここから左岸の梯子を登っていくと間もなく、すぐ上流に形を変えながらうねるように落ちる「見返り滝」が見えます。
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更に10分ほど進むとこの渓谷のクライマックス、「三連の滝」です。
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上の二段はよく見ないと確認できませんが、下段部は水量も豊富な綺麗な直瀑になっています。

沢登りコースはここで終了となり、尾根コースから戻ることになります。
なお、沢登りコースは歩く時間だけなら2時間ちょっとですが、撮影・休憩等を含めると3,4時間程度見ておいたほうが良いでしょう。
帰路の尾根コースに入り、約10分登っていくと早回りコースとゆっくりコースの分岐です。
前者は40分、後者は1時間の表記がありますが、手書きの時間がいくつか記載され、曖昧です。
前者はそこそこ勾配のある登山道を上り下りしながら戻るルートで、後者は遠回りで尾根筋の緩やかな登山道を戻るルートで、以前は後者のゆっくりコースで約1時間程度でした。
今回は早回りコースで戻りましたが、休憩なしで約55分でしたので、手書きの1時間とか1時間20分の表記はあながち間違っていません。
もしかすると、次第に荒廃していることにより、所要時間も長くなっている可能性は否定できません。
ゆっくりコースの出口も以前と変わったみたいですし、こちらも所要時間は手書きのほうを信用したほうが無難でしょう。

このコース、基本的にルートは整備されているので、登山靴でも問題はありません。
実際、登山靴で散策に来るハイカーは結構多いです。
ただ、沢靴で水の中を積極的に歩きたくなるコースなので、個人的には沢靴を推奨したいです。
以前はまだまともな沢歩きをしたことがなく、フェルトソールの沢靴で行きましたが、ルートに沿って進みました。
今回は、アクアステルスソールの沢靴で行きましたが、フェルトのほうがグリップが良さそうと感じるところが何箇所かありました。
そういうわけで、今回はシャワークライムはしませんでしたが、廻り淵、龍門滝、龍の寝床、心字の滝などは、登っていけそうな印象を受けましたので、これは次回訪問時の宿題としたいと思います。

ただ、一般の方への注意として、昨年の豪雨により、何箇所か大きな崩落・倒木が見受けられ、災害の爪痕が痛いほど感じられます。
元々、鎖場、梯子などが多いコースでもあるため、遊歩道完備の散策路とは思わないでください。
実際、滑落による死亡事故も過去に起きています。

今回、何箇所かの荒れた姿を見て悲しい気持ちになりましたが、人の手によるものではなく、災害による自然の姿とも言えます。
もちろん、これも自然の1つとして受け入れつつ、時間がかかっても、以前の美しい姿を取り戻して欲しいところです。
チェック

小木森滝

2016.07.27(Wed)

三重県紀北町にある「小木森滝」

滝仲間を双門の滝に案内する遠征で、代わりに案内してもらいました。
巨瀑という言葉が相応しい、モンスター級の滝です。
訪問は、7月18日です。

<アクセス>
国道42号、往古橋北の信号から林道を進みます。
前半はそれほど問題ありませんが、次第に悪路となり、落石も多いので、車高の高い車でないと厳しいです。
花抜峠に向かう登山道入口付近(小さな目印あり)に数台ほど路肩に駐車できるスペースがあり、ここからスタートします。

<アプローチ>
小木森滝ルート

スタート地点から約200m戻り、なだらかなザレ場を利用して沢に降り、堰堤手前で渡渉します(スタートから約5分)。
堰堤脇から踏み跡(ところどころマーキングあり)があるので、それに従い、しばらくほぼ標高を変えることなく進みます。
沢音が近づいてきたところで分岐があり、2つに分かれますが、ここは正面(左側)に進みます。ちなみに、広めの右側の道は大滝に向かうルートです。
小木森滝方面に進むとすぐ尾根筋になっており、そのまま進むと落ち口へのルートとなっていますが、その手前で、下にピンクテープのマーキングがありますので、それを目印にやや急な斜面を慎重に降ります。
マーキングを見つけながら5,60m下ってから、トラバースしつつ沢方面に高度を下げながら進んでいくと、スタートから約35分で中段滝壺に到着します。

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ここから一望できる姿はその全容ではないにもかかわらず、圧倒的な存在感を持った巨瀑です。

数年前までは、ハーネス等を使って懸垂降下で行くとも言われていましたから、ルートを確立してくれた方々に感謝の念は尽きません。
今では40分弱で到達できる滝ですが、ところどころトラバースもあり、また、ルートをロスすると危険な場所に出てしまう場所でもあります。
それほど、直下へは地形の弱点を突いた、これしかないとも言えるような行程となるので、行かれる方は自己責任となります。
また、ヤマビルがたくさん棲息するエリアでもあります。

今回は時間の都合もあり、小木森滝の落ち口・下段滝壺のほか、近くにある滝(ケン淵滝など)も行けませんでしたが、当初からそれは承知の上でした。
次回行く機会があれば、今度はそれらにも足を延ばしたいと思います。

なお、足回りについては、登山靴でも問題ありませんが、濡れた岩場で滑りにくいソールのものが良いと思われます。

【追記】
facebookにて、ルートについてアドバイスいただいたので、追記します。
私達は、大滝への分岐から正面よりやや左方向、落ち口方面に進みましたが、「南から東への尾根(落口への尾根から東にトラバースして乗る尾根)にダイレクトに乗るのが最短ルート」とのことです。
アドバイスありがとうございました。次回訪問時は、そちらのルートを確認したいと思います。
チェック

迷滝

2016.07.22(Fri)

奈良県五條市にある「迷滝」

滝仲間を双門の滝に案内する遠征で、併せてアタックしてきました。
周囲の景観、滝の流身、それらの織り成す空間は、本当に素晴らしいものでした。
訪問は、7月16日です。

<アクセス>
国道168号から県道235号に入り、更に舟ノ川沿いの林道をしばらく進むと、ヒウラ谷との出合い付近の橋を渡ってすぐ左手に広場があり、ここが駐車スペースとなります。
ここに駐車し、そのまま渡渉して林道をスタートします。

<アプローチ>
迷滝
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おそらく昔は作業で使われていたと思われ、崩落が進んでいるものの、しっかりした林道で、ずっとヒウラ谷の右岸を進みます。
いくつか崩落箇所を越えますが、トラバースするほどでもなく、足元にさえ注意すれば問題ありません。
歩き始めて40分ほどで、最初の遠望ポイントに出ます。
ここからではまだまだ物足りない光景ですが、それでもその先を考えるとワクワクする形状であることが見てとれます。
この辺りから道は荒れ始め、何度かガレ場、ザレ場が出てきて、トラバースすることになりますが、これらもある程度歩き慣れた人なら問題ないレベルでしょう。
ただ、危険であることに違いはないので、油断はしないでください。

スタートから50分ちょっとで、何度目かの枝沢が出てその先が分かりづらくなっていますが、木々の奥に林道の名残が見えるので、そこへルートを取ります。
更に少し進むと林道終点となり、再度、遠望できます。
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この先の枝沢を越えるとワイヤーが散乱しているので、これを目印に、ヒウラ谷本流に向け下降し、岩づたいに対岸(左岸)に行きます。
ここまでで約1時間ちょっとです。
ここで、上の樹林帯に目を向けると踏み跡が分かります。
この樹林帯は傾斜がありますが、九十九折にルートを取れば難所はありません。
滝の方向を確認しながら登っていくと、滝直下に到達できます(スタートから約1時間半弱)。

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迷うことなく辿り着ける滝ですが、その景観、滝の美しさは比類なきもので、超一級品の素晴らしい滝です。
どんな言葉も陳腐に聞こえてしまうほど、言葉を失う感動を覚えた数少ない滝の1つでもあります。
その美しさには心を惑わされるでしょう。

なお、足回りは最初の渡渉以外は、登山靴でも問題ありません。
ただ、滝前で移動し遊びたければ、沢靴のほうが良いかもしれません。
滝前で滑ると、そのまま滑落の危険があるので、注意が必要です。
また、ヤマビルの生息域なので、暖かい時期は、気をつけてください。
チェック

百間滝

2016.06.19(Sun)

長野県木曽町にある「百間滝」

滝仲間とともに、御嶽山にある百間滝の1つに滝壺を目指して行ってきました。
訪問は、6月11日です。

<アクセス>
県道20号から県道473号に入り、更に白崩林道を進んで行くと、六合目中の湯駐車場があります。
ここに駐車し、中の湯温泉方面にある登山道に向かってスタートします。

<アプローチ>
無題
案内板のある登山道に入るとすぐ、御嶽山山頂方面と百間滝方面の分岐案内があり、それに従い左に入ります。
基本的に前半はひたすら下り、沢をいくつか越えた後の後半は、緩やかな登りになります。
標高を200m下げたあと150m上げるイメージで、ところどころ足場の悪いところもあるので注意は必要です。

駐車場から約1時間で廃屋となった百間滝小屋に到着します。
ちなみにここからは、木々の間から申し訳程度に見えるだけです。

その僅かなビューポイントには簡易的に虎ロープが張られていますが、ここに見える踏み跡が降下地点となります。
ここに廃道となった滝壺へのルートがあり、階段の名残を降りて行くと、ここから一気に梯子・ロープ・斜面のトラバースを経て約100mちょっと高度を下げます。

左岸の岩壁を背にしつつ少し進むと祠跡があり、ここを過ぎて間もなく、すぐ下に沢が見えますが、そのまま岩壁脇を伝って行けるところまで進みます。
ほどなく百間滝が見えたら崩落地点から脆い地盤のところを数メートル慎重に降りて沢に出て、あとは滝に向かって数十メートル進むだけです。
降下を始めてから40分弱、スタートからトータルで1時間40分ほどで滝直下に到達できます。

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滝前は開けていますが、崩落した岩も散乱し、爽快感と同時に、圧倒され畏怖の念を抱かずにはいられません。
滝は豪快な直瀑で落差約40mですが、周囲の絶壁と合わせた景観は迫力があります。

なお、足回りは基本的に登山靴で問題ないでしょう。滝前で自由に動きたければ沢に入る前提で。

(注意事項)
滝壺へのルートは、元々修験者の滝行用にある程度は整備されていたようですが、平成26年の木曽地域の豪雨後はかなり荒廃し、廃道と化しています。
また、平成27年の御嶽山噴火もあり、慣れた人であれば大丈夫とはいえ、危険を伴います。
地形を見れば分かりますが、急傾斜のところに作られたルートです。
何かあっても、それはすべて自己責任となることを留意してください。

ちなみに、前掲した百間滝小屋からは良く見えないという部分ですが、百間滝小屋から油木美林道に少し先に進むと、しっかり御嶽山を背にした雄大な光景を目にすることができます。
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更に少し進むと、大正滝、雄蝶滝、雌蝶滝も展望できる場所があったようですが、それは後から聞かされました。
既に時間との勝負だったため、後ろ髪を引かれる思いで帰路につきました。
チェック

津室沢大滝

2016.06.08(Wed)

群馬県沼田市にある「津室沢大滝」

正式には無名のようですが、その筋?では知られている隠れた美瀑です。
百四丈の滝で御一緒した滝仲間Mさんから以前から「ぜひその美しい姿を撮ってほしい滝」と言われていて、今回同行していただきました。
訪問は、6月5日です。

<アクセス>
国道120号から平川小学校方面に入り、道なりにしばらく進み、平川不動滝のある古瀧庵不動尊の看板もやり過ごして更に進むとY字の分岐路がありますが、右に進みます。
今回は落石等はかなり少なかったですが、元々落石の多いエリアなので注意は必要です。
舗装された林道終点部分に車止めゲートがあり、手前の退避スペースに駐車し、スタートします。

<アプローチ>
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林道をしばらく進みます。基本的に、泙川(ひらかわ。旧名たにがわ)沿いのほぼ平坦な道ですが、ところどころ崩落が見られます。
約20分で1つめのトンネルがあり、更に約35分で2つめのトンネルがあります。ここを過ぎると間もなく沢に降りる道があります。
仮に三重泉沢橋に出てしまったときは少しだけ通り過ぎています。
降りた先の沢は三重泉沢で、泙川の枝沢となっており、これを下ると間もなく現われる堰堤を降ります。

ちなみにこの日、事前の天気予報では芳しくなかったのですが、当日になると予報が変わり、うってかわっての青空でした。
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三重泉沢から泙川本流に出合うと、とても綺麗なエメラルドグリーンの清流となります。
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この本流を遡るとすぐに、右手に枝沢が見え、ここが目的の津室沢です。
出合い部分に1mほどの小滝があり、その奥にゴルジュが確認できます。この部分が3段25mの滝となっていて、ルート上で一番の難所となります。
ここは後から見に行くことにして、津室沢の右岸を尾根筋に沿って急登して高巻きます。
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(もう1人の同行メンバーPさんからお借りした写真)

木の根や岩を利用しながら慎重に進みます。
途中、3段25m滝を俯瞰できますが、なかなか格好良い形をしています。
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この先もそれほどの難所ではありませんが、かなりの急斜面となる部分も多く、慎重に進む必要があります。
25m滝を高巻いて沢に降りますが、地形の関係で約70m高度を上げてから約30m沢に向けて降下することになります。
そのため、場所によっては、滑落すれば命の保証はありません。
なお、ところどころピンクテープ、踏み跡、ワイヤー、残置ロープの残骸があるので、それを目印にしましょう。
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沢に降りて遡るとすぐ小さな段瀑があり、なかなか綺麗です。
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滑床を進むと間もなく、小さなゴルジュに5m滝があり、小ぶりながらも見事です。
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ここは少し手前の右岸から簡単に巻けます。
更に滑床を進んでいくと、トータル約2時間で、目当ての津室沢大滝に到着です。

3段で45m、個性的な滝が多い群馬県にあって、珍しく端正で美しい見事な滝です。
ただ、その中でも個性はあり、控えめながらしっかり自己主張はする清楚な素晴らしい滝です。
左岸、右岸、正面と、見る位置によって印象は異なります。
どちらかというと右岸側が水量の多い主瀑で、左岸側は水量が少し劣る分岐部分といった感じです。
この写真では伝わりませんが、実際に目にすると規模と美しさに見惚れます。
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約1時間半の滞在後、今度は3段25m滝を目指します。
往路同様に慎重に尾根筋をトラバースし、まずは俯瞰できる場所へ。
この辺からザイルを垂らせば安全に行けそうですが、トラバースしつつ降りる感じになりそうなので、いったん津室沢出合いの1m滝上から右岸沿いに進みます。
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3段目は深い滝壺で左岸は進めないので、右岸の一択ですが、堆積した落ち葉と柔らかい地面、ホールドしづらい岩に難儀します。
強引に行けそうですが、帰りを考えると、慎重なルートシミュレーションが必要です。
今回は案内してくれたMさんが、強行突破の後、ザイルを垂らしてくれました。
突破後に急勾配の岩肌をトラバースすると2段目の滝壺に出ます。
岩沿いにへつりながら、進むと反対側に出ることができます。
ここからだと落差をあまり感じることはできませんが、切り立った断崖を抉るように落下する姿は見事でした。
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なお、津室沢の川床は見た目ではあまり分かりませんが意外とフリクションが弱く、滑りやすいので、フェルトが一番グリップが効きそうでした。
一方、尾根筋の高巻きを考えるとラバーソールが良さそうです。
ラバーのステルスソールのキャニオニングシューズで行きましたが、トータルではアクアステルスにすれば良かった気もします。

ともあれ、これだけの美瀑に出逢うことができ、大満足の行程でした。

同行いただいたMさん、Pさん、ありがとうございました。
併せて、好きな滝を目の前にすると撮影に没頭してしまう悪い癖が出てしまい、御迷惑をおかけしました。
懲りずに、またよろしくお願いします。
チェック

鼓滝

2015.12.06(Sun)

福島県福島市にある「鼓滝」

高湯不動滝の下流に位置し、情報も少なくあまり知られていない幻の滝とも言えます。
訪問は、11月28日です。

<アクセス>
県道70号から信夫温泉方面に入り、さらに林道を進みます。基本的に舗装されていますが、廃道となっており、道も狭い上、落石等も多いので、注意が必要です。県道から約1.5キロ進むと、急な左カーブの約100m手前に大きな倒木があり、その前のカーブ付近に駐車してスタートします。

<アプローチ>
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廃林道をしばらく進みます。
舗装されており、ところどころガードレールのある道ですが、廃道ゆえか、崩落、欠損、落石、倒木、藪等が見受けられます。
最初の分岐は、上(右)に進みます。藪が多くて道に見えないかもしれませんが、気を付けていれば見落としはないでしょう。

約10分進むと、大規模な崩落と倒木があり、強行突破も可能だと思いますが、右上から小さく迂回したほうが安全です。
なお、迂回ルート上にはまるで邪魔するかのようにバラ科の木がたくさんあります。

次に出てくる分岐は、下(左)に向かいます。
堰堤が見えたら、木の根等を利用して数メートル下の沢に降下しますが、斜面の足場は意外と脆いです。
なお、ここまでで約2キロ、時間にして約40分です。

沢に下りたら、あとは上流を目指して進むだけですが、渡渉するなり、左岸を進み続けるなり、沢を遡上するなり、それぞれ進みやすいルートを選びましょう。
ところどころ巨岩もありますが、難所はありません。
沢に下りてから約500m、時間にして約20分で滝前に到着です。

落差約40mあり、豪快な部分と繊細な部分も垣間見えるような複雑な形状で流れ落ち、しかも下段付近の抉れ、周囲の深い滝壺と岩肌と相まって、なかなか見事です。
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アプローチ上、ルートは荒廃し、藪が多いことから落葉時期を狙いましたが、緑か紅葉に彩られた姿を見たいと感じます。
マイナーだけれど、とても美しい滝です。
訪問する人も少ないことから、滝前はありのままの雄大な自然を体感できます。

なお、帰路につこうとした矢先、岩の上に動物の糞がありました。大きさと形状から、「もしや?」と思いましたが、案の定、ツキノワグマのものだったようです。結構新鮮だったので、同日の朝、あの辺を徘徊していたのでしょうか。
情報によるとあの辺りは熊の巣穴も多いようです。
難所はありませんが、むやみやたらに彼らのテリトリーを侵すべきではないと思いますし、行くにしてもそれなりの装備・意識でアタックすることが大事でしょう。
チェック

プロフィール

すずき

Author:すずき
滝を求めて、趣味のカメラを携え、東奔西走しています。
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